俺のじいちゃん

お疲れっす!べジ下です。


今年も毎年恒例行事の稲刈りが終わりました。

じいちゃんお疲れ!

俺のじいちゃんは、もう80歳を超えてるんだけど現役の田んぼ職人です。

でも、どうしても年には勝てず足腰が弱って米運ぶの辛そうだから俺は毎年手伝っています。


頼りがいあるだろ?

もちろん、近所の子猫ちゃん達には


若い=農業とか普通やらない

でも、俺はやる=その意外性ギャップにキュン


という子猫ちゃんの乙女心も計算済みだ。

しかし、稲刈り作業中は軽く汗ばみ、風にあおられ、CGのようなハゲをさらけ出しながらやっている俺はおっさんのメデューサにしか見えないだろう。

そんな感じで今年も無事に稲刈りが終わったんだけど、せっかくだから今日は俺のじいちゃんについてお話しようと思います。


俺のじいちゃんは、無口であまり笑うこともなく見た目は怖い感じです。

仕事も昔から農業か土木仕事しかしたことなく、一言で言えば頑固職人のような感じです。

服も戦闘服(作業着)しか持っていなく、どこ行くのも戦闘服で行く。

車はもちろん軽トラで、頭ももちろんズルッパゲだ。

でも、優しいじいちゃんだ。

俺は小学校の時から週末になると、よくおばあちゃんの家(じいちゃんの家)に泊まりに行ったり、遊びに行ったりしていた。

いつも土曜日になると、俺のおかんがおばあちゃんに電話してくれて、じいちゃんが軽トラで迎えに来てくれていた。

じいちゃんは、その時から鬼のように無口だったから、迎えに来ても何も喋らず小学生の俺を軽トラの横に乗せて家に向かった。

車の中でも特に話すことはなかった。

ただ前を向き、タバコを吸ってばあちゃんの家に向かうという流れだった。


でも、その途中いつも寄ってくれる所があった。

そこは本屋さんだった。


じいちゃんは俺を迎えに来てくれた時はいつも帰り道にある本屋さんによって、

「なんか買ったる」

と言って本を買ってくれた。

まだ小学生だった俺は、当然こずかいも少なく、親にも本なんて買ってもらうことは滅多になかった。

ドラゴンボール幽遊白書、分け分からんマンガなど毎回1冊ずつだったけど、じいちゃんはいつも俺に本を買ってくれた。

毎回ぶっ飛ぶほど嬉しかったのを覚えている。

買ってもらう度に、

「じいちゃんありがとう(^-^)!」

と元気よく言っても、じいちゃんはクールに

「おう」

と言うだけだった。

でも、俺はそんなじいちゃんが大好きだった。

じいちゃんは、酒は全く飲まない。

タバコは今は辞めてるけど、昔はよく吸っていた。

そんなじいちゃんの最強の趣味がギャンブルだ。

今はもう引退してるけど、昔はカイジ級にギャンブル好きだったようだ。

俺も小学校のころは、よくじいちゃんがパチンコの景品(菓子)を持って帰ってきてたのを覚えている。

その度に、クールに

「おい」

と言って大量の菓子をくれた。

今思うと、パチンコって金に換えるのが一番なのに、孫の俺に菓子をやるために金に換えず菓子に換えていたのだと思う。

正月には麻雀も親戚のおっさんとよくしていた。

よくパイを取る時、ドンッ!と気合いを入れて取っていたのを覚えている。

まさにサイヤ人だった。

その頃から俺は、ばあちゃん、じいちゃんの畑、田んぼの手伝いをしながら今に至るというわけだ。

じいちゃんについては色んな伝説があるけど、俺が特に衝撃を受けた伝説がある。

せっかくなので、それも話しておこうと思う。


それは、俺が今から5年くらい前の27か28歳くらいのことだったと思う。

その日は、なんかの手伝いで、ばあちゃんちに行っていた。

で、その時ばあちゃんちに1本の電話がかかってきた。

その電話に出たばあちゃんは少し驚いた様子で話しをして電話を切って、「あんたー!」とじいちゃんを呼んだ。

「なんだ?どうした?」と俺も話を聞くと、ばあちゃんの兄弟の旦那さんが風呂で滑って、腰を強打したようで風呂から出れなくなったようだ。

それで、じいちゃんに助けを求める電話だったらしい。

それを聞いたじいちゃんは、秒速で俺に、

「おい、ついてこい」

と言って、いつもの軽トラを出動させてきた。

もちろん俺は迷うことなく、じいちゃんの横に乗り込んだ。

そして、二人でその風呂で滑ったおっちゃんに家に向かった。

じいちゃんの家から、そのおっちゃんの家までは20分くらいで行ける距離だったんで、ソッコーで到着した。

現場の状況が分からない俺は、正直少しドキドキしていたが、じいちゃんは80歳にも関わらず、着いた瞬間ソッコー家の風呂場に乗り込んでいった。

俺もあとに続いた。

風呂場で動けなくなったおっちゃんは、特にケガをしているわけでもなく、笑いながら「すまんのぉ(笑)」と言っていた。

まじよかった。

じいちゃんと俺の間に安堵の空気が流れた。

しかしここからどうするか?だった。

もちろん、おっちゃんは風呂中だったのでフルチンだ。

もちろん、ふきのとうも丸出しの状態だ。

どうするよ?と考えてた俺に対して、いつもクールなじいちゃんが一言、

「兄弟!待っとれよー!」

と気合い入り気味で言うと、おっちゃんを抱え始めた。

俺は、突然のじいちゃんの男気に軽く鳥肌がたった。

嫁の兄弟の旦那ということは、義理の兄弟なんだけど、じいちゃんはまるで自分の兄弟のように、おっちゃんを助け始めたんだ。

まじでカッコよすぎて俺は鳥肌がたった。

そして、俺に

「おい!わしの背中に乗せてくれ!」

と言ってじいちゃんは、おんぶの体制に入った。

もちろん、ふきのとうは丸出しだ。

俺は、じいちゃんに言われるがままにおっちゃんの脇を抱えじいちゃんの背中におっちゃんをおんぶさせた。

じいちゃんの背中に、おっちゃんのふきのとうが直に当たる。

しかし、じいちゃんはそんな事はおかまいなしだ。

俺は少しふきのとうが心配になったが、後ろからおっちゃんのケツをガッチリサポートして、じいちゃんと力を合わせておっちゃんをリビングまで運んだ。

そして、おっちゃんを椅子に座らせてあげた。

ふきのとうは無事だった。

おっちゃんは笑いながら「助かった。すまなかった。おおきに(笑)」と言って状態も大丈夫そうだった。

よかった。

任務を完了したところで、じいちゃんは特に、

「俺のおかげやぞ。感謝しろ」

という素振りも一切なく、

「痛ないか?気をつけーよ(軽笑)」

と軽い笑顔で一言だけ言って、帰ろうと俺に言っておっちゃんの家を後にした。

帰りの車の中でもじいちゃんは、特に何も喋らなかった。

「おっちゃん無事でよかったな!(^-^)」

と言う俺に、

「おう」

とクールに軽い笑いで返すだけだった。


その時俺は、昔、俺をよく迎えに来てくれていたじいちゃんを思い出した。

小さな俺を横に乗せてタバコをふかすじいちゃんを。

そして、本屋さんに寄ってくれたあの頃の事を。

あれから何年も経ち、今は俺の方がデカくなり、運転するじいちゃんの方が小さくなったけど、俺はじいちゃんが物凄くデカくカッコよく見えた。

そんなじいちゃんを俺は横目でたまに見ながら、年期の入った軽トラで二人でばあちゃんの家に戻った。

その何年か後、大好きだったばあちゃんは他界してしまった。

だから今は、じいちゃんと犬と二人で暮らしている。

まじ口数少ないじいちゃんだけど、ここぞという時は真っ先に自分が出て行く男気満点のじいちゃんだ。

俺は、そんなじいちゃんを最高にリスペクトしている。

だから、これからもずっとじいちゃんの手伝いをしていこうと思う。

じいちゃん、いつまでも元気で長生きしてくれよな!


なんかハゲ話とは全く関係なかったけど、最後まで読んでくれてありがとね。

仲間のみんなもじいちゃん、ばあちゃん大事にしてくれよな。

んじゃ今日はこの辺で。

ちょい寒くなってきたから朝晩油断しないよーにね。

ハゲテェーラ♪


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